<風船の徘徊 18>  「国会議員たちの能力・品性」への不信
 
 
<はじめに>
514日朝、政治欄のニュースを見て急遽この問題を採り上げたくなりまし
た。次の項<丸山穂高の戦争発言>は、2019.5.14のネット上から採っ
た、「北海道テレビのニュース」全文コピーです。

まず事実を直視し事実を踏まえたい。
事実は「小説より奇なり」というが、ここには
われらが代表・日本の国会議員(エリート層)たちの
「人間的レベル、知的レベル」が具に透けて見えて、面白いと思う。
まず、これを読んでみてください。
これだけでなくこの際、他のコメント類をひろい読みしてみると、
政界・国会の、そして政治家たちの「自浄能力の乏しさ」を窺うことができます。
 
 
<丸山穂高の戦争発言>
(以下ネット上のニュースのコピー)
13日、北方四島の国後島から帰港したビザなし交流の訪問団。この訪問団に
参加していた日本維新の会の丸山 穂高衆議院議員の発言をめぐり、元島民ら
から抗議を受けていました。
 丸山穂高衆議院議員は11日、現地で島返還の手段として戦争を持ち出し、
元島民らから抗議を受けていました。
 同行した記者が録音した丸山議員の音声です。

丸山議員音声「戦争でこの島を取り返すことは賛成ですか?反対ですか?」
団長「戦争で?」
 丸山「ロシアが混乱しているときに取り返すのはOKですか?」
 団長「戦争なんて言葉は使いたくないです。使いたくない」
 丸山「でも取り返せないですよね?」
 団長「いや、戦争はすべきではない」
 丸山「戦争しないとどうしようもなくないですか?」 
 団長「いや、戦争は必要ないです」
 
 丸山議員とやりとりをした訪問団の団長で、元島民の大塚さんは「私は真っ
向から反対いたしました。戦争で取るとか取らないか、そんなこと私は聞いた
こともありませんしね」と話しています。丸山議員はこの発言の前に酒を飲ん
でいたということです。元島民らはこの発言に抗議しましたが、丸山議員は酒
に酔って騒いだことについては謝罪したものの、戦争発言については「賛成か
反対かを聞いただけ」だとし、「北方領土を戦争で取られたわけですから、取
り返すということに対して賛成か反対か聞いたと。別にそういう話があっても
いいわけじゃないですか。それに対して何をダメだとおっしゃっているのかよ
くわからないです」とコメントしています。丸山議員の発言について日本維新
の会の松井代表は、
 「戦争で取り返すようなことは、我々党として一切考えはありません。武力
での解決というのは僕にはないですね」と話しています。(コピーは以上)
(下線は私が付けました)

<丸山穂高HPより同人の略歴> 
昭和591月大阪生まれ。 東京大学経済学部卒業。
経済産業省勤務、松下政経塾(30期)を経て衆議院議員(大阪19区選出)。
 
 
<ひと言事実についてのコメント>
問題の核心は、政治家・国会議員としての丸山の
「奇妙奇天烈」な反憲法的発言内容自体にあった。
北方領土を「戦争で取り返す他ない」という珍論は維新の議員としての丸山固有
の意見である。
元住民訪問団長に自説を押し付けようとして執拗に迫っていた印象は拭えない。
素面になってからも、当初は「飲酒の醜態」のみを詫びるだけに留まった。 。
 

<厳しい批判の目を維持し持続させよう>
政治家から「酒が過ぎたとか、発言を撤回しますとか、お詫びします」とか、
言われて「じゃあ水に流しましょう」というように済ましていい問題なのでし
ょうか? 人は嫌なことは、早く忘れたいと思うのかもしれませんが・・。私は
たやすく忘れてはしまってはいけないと思っています。
発言は彼らの歪んだ品性と人心を離れた知性から出ているからです。
奥深い所から表出しているからです。
ここには「現代エリート層の堕落と驕り」が露呈しています。
しかも残念ながら世界規模で(ヨーロッパでもアメリカでも、イギリスでも)見
られる現象です。
この現象を根気よく凝視し、諦めないで批判の目を向けていくことが世界全体・
人類にとって緊急課題であり、かつきわめて大切な問題だと思います。
 
(長文になるのをさけるために、今回1区切りとして、ここでペンを擱きます。
今回のテーマは、前回<風船の徘徊 17>で上野千鶴子さんの祝辞を採り上
げた時のテーマとも関連し繋がっている筈です(丸山も東大出のエリート。但し
困ったエリート。有害なエリート層の一員です)。
話はまだ終わっていません。
次回、「つづき」として論及し、同じテーマ・「エリート論」=現代エリートへ
の「信と不信」・「期待と・不安」の問題を私なりにもう少し掘り下げて考えて
みたいと思っていますので、よろしく。)
 
 
なお、この稿を書き終えた同日午後のニュースを見ると、維新の松井代表が同
党代表として、丸山の「同党からの除名処分」と「国会議員の辞職勧告」そし
て「党としてのおわび」を表明しました。一方丸山は国会議員を辞職せずに、
無所属にて活動するという意思を表明しています。(思った通りの展開です。) 
<2019.5.14 記>

 

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